TREATMENT
がん診療について
症状を正しく理解した上で
最良のがん医療を受けてほしい
がん診療には、外科的治療(手術)、放射線治療(根治的、緩和的)、薬物治療(抗がん剤治療、内分泌療法、分子標的治療、がん免疫療法)、緩和ケアが含まれます。個々の状況に応じて最適ながん診療を提供することをお約束します。各臓器別の診療内容について説明します。
診療内容一覧
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がんの基礎知識
以下は国立がん研究センターの
「がん情報サービス」より改変しています。
「 がんとは 」
がんは、すべての
人にとって
身近な病気です。
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01誰でもなる可能性がある
現在日本人は、一生のうちに2人に1人は何らかのがんにかかるといわれています。がんは、すべての人にとって身近な病気です。
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02予防できるけれど完全には防げない
がんは、禁煙や食生活の見直し、運動不足の解消などによって、「なりにくくする(予防する)」ことができる病気です。しかし、それらを心がけていてもがんに「ならないようにする」ことはできません。
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03うつる病気ではない
がんは、遺伝子が傷つくことによって起こる病気です。がんという病気自体が人から人に感染することはありません。一部のがんでは、ウイルス感染が背景にある場合がありますが、がんになるまでには、それ以外にもさまざまな要因が、長い年月にわたって関係しています。
「がん(悪性腫瘍)の特徴」
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01自律性増殖
がん細胞はヒトの正常な新陳代謝の都合を考えず、自律的に勝手に増殖を続け、止まることがない。
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02浸潤と転移
周囲にしみ出るように広がる(浸潤)とともに、体のあちこちに飛び火(転移)し、次から次へと新しいがん組織をつくってしまう。
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03悪液質(あくえきしつ)
がん組織は、他の正常組織が摂取しようとする栄養をどんどん奪ってしまい、体が衰弱する。
良性の腫瘍は上記の「自律性増殖」をしますが、「浸潤と転移」「悪液質」を起こすことはありません。増殖のスピードも、悪性腫瘍に比べるとゆっくりしています。腫瘍の大きさや発生した場所によっては、症状が起こることもありますが、外科的に完全に切除すれば再発することはありません。
代表的な良性腫瘍として、子宮筋腫があります。ただし、良性腫瘍の中でも脳腫瘍のように発生部位によっては重篤(じゅうとく)な臨床経過を来すものもあります。
「がんの種類」
一般的には発生した臓器、組織による分類などから由来して名称が決められます。基本的に、すべての臓器、組織にがんが発生します。私たちの体は、それぞれ固有の働きをする臓器固有細胞と、それを支持する組織からなります。
がんは、①造血器でできるもの、②上皮細胞でできる「癌(がん:癌腫とも呼びます)」と、③非上皮性細胞からなる「肉腫(にくしゅ)」に大きく分類されます。まれに、1つの腫瘍の中に両者が混在する「癌肉腫」というものも発生します。発生頻度は、肉腫に比べ癌腫のほうが圧倒的に多く発生します。
また、④「上皮内新生物」と呼ばれるものもあります。上皮内新生物(「上皮内腫瘍」ともいいます。まだ上皮細胞と間質細胞(組織)を境界している膜(基底膜)を破って浸潤(しんじゅん)していないがん(腫瘍、癌)を指します。浸潤していませんから、切除すれば治ります。
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01造血器でできるもの
造血器でできるものには、白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫等があります。
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02上皮細胞でできる「癌」
上皮細胞でできるがん(上皮性腫瘍)の代表的なものには、肺がん、乳がん、胃がん、大腸がん、子宮がん、卵巣がん、頭頸部のがん(喉頭[こうとう]がん、咽頭[いんとう]がん、舌[ぜつ]がん等)等の「癌」があります。
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03非上皮性細胞からなる「肉腫」
肉腫の代表的なものは、骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫等の「肉腫」があげられ、発生した組織名が冠されています。造血器がんを除くと、そのほとんどはかたまりをつくって増生するので、固形腫瘍(こけいしゅよう)と一括して呼ぶこともあります。
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04上皮内新生物
上皮内新生物が最もよく観察されているのは子宮頸部ですが、子宮頸部では前がん病変の異形成と上皮内腫瘍はしばしば共存し、両者の間は必ずしも明瞭な区別がつけられません。これらを連続した一連の病変としてとらえ、「子宮頸部上皮内腫瘍」と呼んでいます。
ひらがなの「がん」は悪性腫瘍全体を示すときに用いられ、上皮細胞でできるがん(上皮性腫瘍)に限定するときは、漢字の「癌」という表現を用いることが多いようです。
「がんの検査と治療」
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01検査と診断にかかる時間は、必要な時間
多くの場合、治療を開始するまでには時間がかかります。がんを正確に診断するためには、詳しい診察と検査が必要だからです。がんの治療では、「治療の効果を最大限に得ること」と同時に、「体への負担を最小限にすること」が重要です。多くの検査とそれにかかる時間は、適切な治療を行うために必要なものです。
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02「標準治療」は現時点で最善の治療
がんの治療は、技術の進歩や医学研究の成果とともに変化します。現時点で得られている科学的な根拠に基づいた最もよい治療のことを「標準治療」といいます。標準治療は、手術、薬物治療、放射線治療、免疫療法をそれぞれ単独で、あるいはいくつかを組み合わせた方法で行われます。ほとんどの種類のがんにおいて、手術、薬物治療、放射線治療、免疫療法以外の方法(代替療法[健康食品やサプリメント]など)は、科学的に有効性が確認されていません。多くの場合は「標準治療」を受けることが、最もよい選択です。また、がんそのものに対する治療に加えて、がんに伴う体と心のつらさを和らげる緩和ケアを治療の早期から行うことが勧められています。
手 術
がんを外科的に切除します。切除する範囲を小さくしたり、手術方法を工夫したりすることによって、体への負担を少なく、治療後の合併症を最小限にするように手術の方針が決められます。患者さんの状態や手術の方法により、入院期間は大きく異なりますが、最近は入院期間が短くなる傾向にあります。術後の回復が順調であれば、退院して外来通院で経過をみることも一般的になってきています。必ずしも「退院=完治」ではないことを心にとどめておいてください。
薬物療法
化学療法(抗がん剤治療)、ホルモン療法(内分泌療法)、分子標的治療、分化誘導療法などが含まれます。薬物を使ってがん細胞の増殖を抑える治療です。通常、薬物療法はのみ薬や点滴・注射によって投与します。薬を投与する日としない日を組み合わせて、入院あるいは外来で治療を行い、効果と副作用の様子をみながら継続します。
放射線治療
放射線を照射することによって、がん細胞の増殖を抑えます。放射線治療の利点は、手術で体に傷を付けることなく、がんを小さくする効果を期待できることですが、がんの種類によって放射線治療の効きやすさや治りやすさは大きく異なります。
免疫療法
抗がん剤が無効な状況で、がんによる免疫への抵抗性を解除する薬剤(免疫チェックポイント阻害薬)が有効であることがいくつかのがん(悪性黒色腫、非小細胞肺癌など)で証明されています。今後、さらに多くのがんで免疫療法の有用性が示されると予想されています。
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03先進医療と臨床試験
医療においては、「最先端の治療」が最も優れているとは限りません。先進医療と呼ばれているものは、前の項目で説明した「標準治療」ではありません。特殊な技術や設備を使用するため、実施できる施設が限られています。最先端の治療は、開発中の試験的な治療として、その効果や副作用などを調べる「臨床試験」で評価される必要があります。臨床試験は、新しい治療法の安全性・有効性を調べるための試験です。その結果、これまでの標準治療より優れていることが確認されれば、その治療が新たな「標準治療」となります。標準治療が確立していないときなどは、臨床試験への参加を検討することもあります。新しい治療法の効果が高いこともありますが、よいと思われていた新しい治療法が、実際にはそれほどききめが高くなかったり、副作用などが強いことがわかったりすることもあります。