放射線治療は、手術、薬物療法と並ぶ、がん治療の3本柱の1つです。臓器を切除することなくがんを治療するため、見た目(整容性)や臓器の機能を保つことができるのが特徴です。また、強い薬物療法を同時に行う場合以外は、通院で治療を受ける人が殆どで、仕事や家庭生活との両立が可能です。合併症のために手術を受けることが難しい方や高齢者も治療可能な場合があります。
　
本院は、さまざまな疾患や状態の放射線治療に幅広く対応しており、高精度放射線治療が可能な2台の外部照射装置を保有しています。通常照射に加えて、強度変調放射線治療(IMRT:腫瘍の形状に合わせて放射線のビームの強弱をつける照射、従来の方法に比べて副作用が少ない)や定位照射(小さな肺がんや肝腫瘍に対してピンポイント的に照射、通常の方法に比べ回数も少ない)が可能です。このほか特殊な放射線治療として、子宮がんの腔内照射(ラルス)や前立腺がんの小線源永久挿入療法(シード治療)、アイソトープ治療(甲状腺がんの術後や転移、バセドウ病、骨転移の疼痛緩和)もおこなっています。また、がんが進行した場合の症状を抑えるための緩和的放射線照射にも積極的に対応しています。スタッフも充実しており、放射線治療専門医に加え、放射線治療専門技師、放射線治療品質管理士、医学物理士、専従看護師などが専門性の高いチーム医療を提供しています。